2014年2月4日火曜日

経営コンサルタントはどう変わったか?

私は1990年から経営コンサルタントの仕事を始めました。はじめは1年間アメリカで修行をしました。というのは1990年代の経営コンサルタントの付加価値は欧米の経営手法を日本に持ってくることだったからです。まだ、日本に経営手法の情報は少なく、今のようにインターネットが使えない状況でしたのでこのような役割が望まれたのです。

もう一つ1990年代の特徴は経営コンサルタントは「贅沢品」であったことです。実用的な価値よりもマッキンゼーさんとかボストンコンサルティンググループさんのような超一流のブティックファームとお付き合いすることがブランドだったと思います。

ただ、21世紀に入り、お客さんの経営コンサルタントへの期待が変化してきたように思います。

1つは実利を求めるようになったことです。1990年代は日本企業の最盛期は終わったとはいえ、まだ、お金に余裕もありました。しかし、2000年ごろから多くの日本企業は切羽詰まった状況になってきました。

2つめは「実現」の支援を求めるようになったことです。1つめのポイントと関係がありますが、結局企業のパフォーマンスを上げるのは「戦略(アイデア)」もさることながら、「実現力」がなければ実利は得られません。 そこで「戦略は偉く、実行は馬鹿」と考えている戦略ファームは斜陽の道をたどっていったわけです。 

実現というのは私はE=MC2を思い出すようにしています。広島の原爆の質量欠損はたった0.7グラムです。「形」にするというのはこれくらい莫大なエネルギーがいることだと考えています。実現力を持つ人を評価し、実現するためのフレームワークを真剣に学ぶ必要があると思います。

経営コンサルタントがぜいたく品から必需品へ変わったわけです。経営コンサルタントはお客さんの場を使って、社会に大きなインパクトを与え、お金が生み出されるそういうものであって、決して「物知り」ではないのです。

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